ニッケイ新聞 2011年4月19日付け
サンパウロ州で発生する意図的殺人の発生率が10万人に10人以下になり、世界保健機関(WHO)が〃殺人の流行〃とする基準を下回ったとエスタード紙やフォーリャ紙が報じている。
1999年には意図的殺人の発生率が10万人に35・3人まで達したが、ここ12カ月では9・9人を記録し、指数が一般公開され始めた1996年以降初めての快挙となった。
意図的殺人の発生率低下はサンパウロ市で特に顕著で、今年始めの3カ月は昨年同期比で41%も低下。州全体の平均では同期間中に19%低下している。この結果は、治安改善の目標を定めていたジェラルド・アウキミンサンパウロ州知事によって祝われた。
アウキミン知事は、「WHOの基準を達成する事は私達の夢だった。ブラジル全土ではまだ25・4人だが、発生率を下げる事は可能だという証拠になる」と述べた。
応用経済研究院(Ipae)の研究によると、利用可能な銃が1%増えると、殺人率は2%増えるという。研究では、銃へのアクセスが増えると対人犯罪数の増加に繋がる事が証明されており、武装解除キャンペーンの重要さを主張している。
殺人は暴力・暴行の主な指数だが、暴力事件には、8・5%の増加を見せた車の盗難や強盗なども上げられる。
サンパウロ市内で意図的殺人の発生数が最も多いのは、サントアントニオ公園、カンポ・リンポとカッポン・レドンドの各警察管内で、今年最初の3カ月間で起きた殺人事件210件の内31件はこの地域で起こっている。