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リオ市=ロッシンニャで大型摘発=リーダーやコカイン発見できず

ニッケイ新聞 2011年4月21日付け

 19日、リオ市最大規模だが平和化が進んでいない南部のファヴェーラ(スラム街)、ロッシンニャで資金洗浄を行っていた麻薬密売組織の大規模な摘発が行われたと、20日付フォーリャ紙が報じた。
 今回の摘発に際して出された逮捕令状は22件だが逮捕されたのは11人だけで、組織リーダーのアントニオ・フランシスコ・ロペス容疑者(通称ネン、34)や、資金洗浄のために名前を貸していたとされる親族などは発見されなかった。
 同作戦で警察は、大麻約3トンとCDやDVDなどの偽造品、盗品の家電、乗用車やバイク42台などを押収した。しかし、密売品の中で最も利益率が高い麻薬のコカインは1グラムも見つからなかった。また、拳銃などの武器も見つかっておらず、唯一押収されたのは手榴弾一つのみ。
 市警トップのマルタ・ロッシャ警部は情報が事前に漏れた事を否定しているが、ファヴェーラ住民によると、前の晩にすでに摘発が行われる事を知っていたという。
 グラジャウ署のラファエル・ウィーリス警部は「調査では、麻薬密売の資金洗浄に企業を利用していることが分かった」と述べているが、企業名は公表しなかった。
 逮捕者の中には、ファヴェーラで麻薬密売を管理していたタイロネ・マニェンゼ・モレイラ・アレクサンドゥリノ容疑者や、ファヴェーラに自由に出入りし、麻薬や武器、密売人輸送役のタクシー運転手のファビオ・ダ・シルヴァ容疑者が含まれている。
 警察によると、12万人が住む同ファヴェーラでの摘発は数日続く見通し。リオ市の『ジスキ・デヌンシア』(110番)では、昨年から、ネン容疑者の逮捕に有力な情報提供者に5千レアルの報酬を約束している。

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