ニッケイ新聞 2011年4月21日付け
東日本大震災への義捐金にと文協に20万レアル(約1千万円)の小切手を持参した70代の一世男性がいた。サンパウロ市の企業家。「ブラジルに移民で来て、努力してお金を儲け子供も育てた。困っている古里にこのくらいは…他にも成功している人はいる。呼び水になれば」とも話したという▼この男性の寄付も含め、5団体が19日までにまとめたのは約230万レアル。しかし震災発生から5週間経った今になっても、まだ送られていないことに驚く読者もおられるのでは。非課税で送金できることを確認したサンタンデール銀行で、職員が国際送金に暗く杓子定規な対応をしたことが原因とか。関係者によれば、「清水オリジオさんや南米銀行関係者がいたころこんなことは…」とため息をもらす。これを受け、県連や援協も待機中▼こうした銀行との折衝で大変、と本紙主催の文協選挙デバッテを断わった木多会長が〃超多忙〃を縫って15日に限り、国士舘エコロジーパーク案のお披露目会を開いた。とはいえ説明などなく、文協貴賓室に模型と完成予想図が飾られただけ。招待客もポカン。会場の隅にはウイスキー。左党の木多会長が多少きこしめして饒舌になるのを待つ時間もなく、早々と会場を後にした▼唐突な感じすらした。何故この時期に? もちろん選挙活動であることは間違いない。招待状を送ったのは評議員のほか市の関係者に限られていることからも明らかだ。会員には知らされもしない。文協の費用を使うのに、だ。今回発表された体制側理事会シャッパから二人の若手副会長が抜けた。これもまた多忙が理由だが…。(剛)