ニッケイ新聞 2011年4月26日付け
原爆開発に勤しみミサイルの試射をする一方で「コメがない」と喚く。我が日本にも「人道派」はうじゃうじゃといて数十万トンか送ったことがあるが、それほどに北朝鮮の庶民は貧しく苦しい。金正日総書記なる2代目棟梁は、和食も好みらしく日本人の板前さんが料理番になったりの贅沢三昧ながら、国民の暮しは辛酸を極め、言論も表現の自由もない▼兎に角—カネがないのだ。韓国の金大中氏や盧武鉉氏は、北朝鮮贔屓であり、大統領のときに借款の名目でかなり大きな資材や融資を行っている。それが2700億円もあり、きちんと返してくれるのかどうかの観測がしきりなのである。このところ、アメリカのオバマ大統領も、北朝鮮からの輸入を全面的に禁止へと踏み切ったし、欧米の経済制裁も強い▼と、こんな厳しい状況のせいか、モスクワに駐在する北朝鮮大使館の敷地(2000平方メートル)に「カジノ」があり、ロシア外務省が閉鎖を命じたと「イズベスチャ」が報じた。ルーレットやポーカーの賭博場だったわけであり、さすがのプーチン首相も怒り心頭に達したと見ていいのではないか▼まだ—ある。あの凍土の閉鎖国家では、性病が蔓延しているようなのである。これは、コンドームがないためであり、中学の女性生徒にまで広がっている—と韓国の新聞は報じている。しかも、これが梅毒なので恐ろしい。北朝鮮によれば、麻薬が流行しての影響だとし、売春が横行しているのが最大の理由だとしているが、どちらにしろ、被害を蒙るのはか弱い人々なのであり、早急に対処に及ばないと、危急存亡の危機に陥る▼北の「太子党」とされる「烽火組」という超高級官僚の息子たちの粗略で横暴な問題もあるし、北朝鮮の未来に「明るさ」は乏しい。(遯)