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自動車製造業=トヨタとホンダが集団休業=東日本大震災の影響で=部品供給減少分調整のため=旭硝子はサンパウロ州に大型投資

ニッケイ新聞 2011年4月28日付け

 3月11日に起きた東日本大震災の影響で、ブラジルでもトヨタとホンダが生産ラインを一時止め、集団休業とする事を決めた。26、27日付伯字紙によると、日本からの部品供給に支障が生じたため、生産が急に止まって販売店に製品が流れなくなる前に調整する意味の集団休業だという。

 東日本大震災で自動車や電子電気機器の部品供給に支障が出るとの予想は震災直後から出ていたが、今回の生産ライン一時停止で、トヨタは世界一の座をGMに譲り、フォルクスワーゲンの後塵を拝する事にもなるとの予想も出始めた。
 トヨタの場合、サンパウロ州インダイアツーバ工場のカローラの生産ラインを25日に一旦停止し、2400人の従業員に休暇をとらせた他、5月6日と20日にも一時的に生産を中止するという。3日間の生産停止で、減産となるのは909台。
 同様の処置はハイラックスを生産しているアルゼンチンの工場でもとられ、5月13、20、27日の3日間の休業で450台の生産がキャンセルされる。
 これら2工場は、日本からエンジンやトランスミッション、電気関係の部品の供給を受けているが、ブラジルでは、5月中の生産に間に合うだけの部品の在庫はあるが、現時点ではそれ以降の生産計画変更はまだ検討されていないという。
 一方、26日付伯字紙では当面は生産ラインの停止はないとされていたホンダは26日、シビックやシティ、フィットを1日に600台生産しているサンパウロ州スマレー工場従業員3600人を対象とする集団休暇を、7月18〜29日から5月23〜6月3日に前倒しすると発表した。ホンダの場合、日本からはチップなどの電気系統の部品供給を受けている。
 日産、三菱両社に関しては何も発表されていないが、日本での生産低下や部品供給の問題は全社共通だ。また、台湾、中国、南アフリカのフォード社の工場も、日本からの部品調達の問題で生産を一時停止している。
 一方、自動車製造業界の生産停止は一時的なもので、2014年のワールドカップや16年のリオ五輪などで自動車メーカーのブラジル進出は更に進むと考え、サンパウロ州のグアラチンゲターに新工場をと息巻いているのは旭硝子のAGCグループだ。
 ガラス生産世界一で生産拠点は20カ国以上の同社だが、南米進出は初めて。4億7千ドルを投じて建設する工場は2013年開業の見込みで、板ガラス用の窯と自動車のフロントガラスやサイドガラス用の生産設備を設ける。26日付エスタード紙によれば、ブラジルでは建設関連だけで年22万トンの需要が見込まれており、自動車用ガラスも50万台分を生産、2016年までに500人を雇用し、日本板硝子に先を越された南米での巻き返しを狙う予定だ。