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日本復興の願い ブラジルから=県連=「甦れ!美しきニッポン」=フェスチバルで特別展開催へ=写真・映像で、観光PRも

ニッケイ新聞 2011年5月5日付け

 日本復興への願いを込めて—。ブラジル日本都道府県人会連合会(園田昭憲会長)が主催する今年の第14回フェスチバル・ド・ジャポン(日本祭り)で、東日本大震災からの復興支援キャンペーンとして「甦れ!美しきニッポン」展が開催されることが決まった。震災の被害、復興の様子を伝えるとともに、ブラジルからの応援メッセージを展示、あわせて停滞する訪日観光のPRも行う計画だ。先月29日に開かれた県連代表者会議で園田会長が計画を発表、各県人会に協力を呼びかけた。

 企画展「甦れ!美しきニッポン」は7月にサンパウロ市イミグランテス展示場で開かれる日本祭り会場内で約500平方メートルの面積を使って実施。東日本大震災と「日本の美しさ」の2部門に分けて行う。
 震災のスペースでは被災地の地震・津波発生前から現在の復興状況まで、毎日新聞社などから提供を受けた写真150枚程度を展示。NHKなどの協力を受けて震災に関する映像を上映する。
 会場では義捐金の受付も実施。さらに復興への願いを込めた絵や作文の展示、来場者に千羽鶴を折ってもらうことなども考えられている。
 29日の代表者会議では計画の発表とともに、県連内の東日本大震災委員会(委員長=園田会長)、甦れ・美しきニッポン委員会(杉本教雄委員長)に東北、関東地域などの被災県の県人会も参加することが決まった。
 震災の展示とあわせて実施される「日本の美しさ」スペースは、震災や原発事故などで激減する訪日観光を支援するため、改めて日本の美しさを紹介するもの。観光用ポスターや映像など、執行部から各県人会代表に協力が呼びかけられた。
 会議ではまた、当初から予定していた今年のテーマ「食と健康」を取りやめる案も検討された。これについては、フェスチバルと震災復興支援を分けて考え、「食と健康」をメインテーマに、「甦れ!美しきニッポン」をサブテーマとする実行委員会の決定が発表され、最終的な決定は実行委に一任された。
 ブラジル国内でも義捐金募集をはじめ様々な支援イベントが実施されているが、震災に関する展示や訪日観光のPRを大規模に行うのは初めての試み。国内最大級の日本文化紹介イベントであるフェスチバルでの実施には大きな成果が期待される。会議の席で園田会長は、「ブラジルから日本への気持ちを伝えたい」と意気込みを表した。