ニッケイ新聞 2011年5月7日付け
JICA日本語教師研修(基礎Ⅰコース)の開講式が今月3日、ブラジル日本語センター(谷広海理事長)講堂で行われた。
今回研修を受けるのは、当山アルトゥーロさん(28、ペルー・リマ市)、柳原ジェシカ夕紀さん(24、南麻州ポンタ・ポラン市)の二人。3日から6月下旬までの約2カ月弱、同センターで研修を受ける。
研修生は今年4月の1カ月間、事前に通信講座を受講しており、今回の同センターでの研修を経て、日本で約1カ月の研修を行う予定。
研修内容は、日本語文章力、待遇表現、日本語文法、語彙などの養成、パソコン活用法、教案作成実習のほか、日本文化の理解、日本の歴史などの授業も。また、サンパウロ市内の日本語学校で行事や授業を見学し、実際に授業も行う。
開講式で、JICAサンパウロ支所の村上ヴィセンテ企画・調整班長は、「現在日本語学校は減少しつつあるが、優秀な現地日語教師を育てたい。レベルアップを目指してぜひ頑張ってほしい」と激励した。
また、同センターの日下野良武副理事長は、「日本語は奥が深く、文章を書くときはいつも頭を悩ませていた。日本で研修する際には、教授法や日本語の勉強だけでなく、日本の文化をぜひ実際に自分で体験してきてほしい」と語った。
また、研修生の私生活のサポートとして授業のほか週1回、カウンセリングも行われる。
当山さんは、リマの学校で小中学生に日本語を教えた経験を持ち、国際交流基金や東京外国語大学で研修を受けた。
「もっと良い教師になりたいと思って参加した」と話す。8年前は全く日本語が話せなかったそうだが、現在100歳を超える祖母と日本語で話したいという思いから勉強を始め、現在は日本語教授法のほか、言語教育、スペイン語教授法を大学で勉強中だ。
パラグアイのペドロ・フアン・カバジェーロ市で働く柳原さんは、日系人会青年部の部長として活動を始めてから日本語を好きになった。「子供達に日本語の楽しさを伝えたい」として意欲を見せていた。