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リオ=銃乱射事件から30日=母の日前日にパレード=心理学者らの対応に不満も

ニッケイ新聞 2011年5月10日付け

 リオ市北部レアレンゴのタッソ・ダ・シルヴェイラ市立学校では、銃乱射事件から30日後の7日、約100人の人が集まり、ウェリントン・メネゼス・デ・オリベイラ容疑者によって殺害された12人の子供への追悼の意を表して街中でパレードを行ったと、6、7日付エスタード紙サイトが報じた。
 参加者達は、12人の子供達の顔がプリントされたTシャツを着て、プラカードやカラフルな風船を持参。学校の前で国歌を斉唱し、薔薇を配った後、白い鳩が放たれたほか、ゴスペルソングやロベルト・カルロスの曲が流されていた。
 被害者のラファエル・ペレイラ・ダ・シウヴァさんの母親は「心の痛みや我が子を偲ぶ思いは日毎に募る。夢や希望も絶たれ、心の中は虚無感で一杯だ」と述べた。遺族からは、校内の治安強化や心理学者や社会福祉士(ソーシャルワーカー)などの対応継続を要求する声も出ている。
 虐殺を目撃した子供2人を持つエリアネ・フェレイラさんによると、心理学者や社会福祉士による対応はまちまちで、転校を要求できなかった親達は今年度の留年も覚悟しているという。同校では、映画鑑賞やミュージシャン演奏会などで子供達の思いを事件からそらそうとしているものの、授業再開の話は何も出ていない。フェヘイラさんの子供達は心理学者と一度話しただけで、治療は途絶えている。
 虐殺現場となった1801号室と1803号室にいた生徒の感情は様々で、14歳のマルセリ・デ・ソウザ・セルケイラさんは、心理学者の治療を受けているが、早く転校したいと話しており、「犯人が殺害された場所を通ることが出来ない」と述べている。
 一方、15歳のヴァギネル・シルヴァさんは、「心理治療もうまくいっているし、学校には残りたい」と述べている。右腕を撃たれた13歳のジョナタン・オリヴェイラ・ダ・シルヴィアさんも、機能回復のためのリハビリ中だが、学校に残りたいという。
 また、法務省の武装解除キャンペーンは今回の事件の影響で開始が一カ月早まり、6日から12月末日まで実施。報酬は武器のモデルなどによるが、100〜300レアルが約束されている。
 法務省によるキャンペーンは今回で3度目。前回は2003/04年と2008/09年に行われており、合わせて約50万丁の拳銃が回収された。保健省によると、拳銃による殺人事件は全国で11%減少した。