ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

生活に影響与える精神病=脳梗塞や心疾患より問題に

ニッケイ新聞 2011年5月11日付け

 ブラジル人の生活習慣の変化に伴い、うつ病やアルコール依存症も含む精神疾患が国の公衆衛生上の一大関心事になっていると、10日付フォーリャ紙が報じた。
 9日に発表されたブラジルに関する一連の研究のデータ『Lancet』によると、国内の慢性疾患の中で、生活の質と寿命を最も奪っているのは精神疾患だという。
 この結果は、各疾患による死亡率と、機能的・器質的障害によって引き起こされる日常的な作業への影響の大きさをもとに計算される。
 この計算によると、病によって失われた時間の19%を占める精神疾患には、うつ病やその他の精神病、アルコール依存症などが含まれている。その次にブラジル国民の時間を奪っているのは、脳梗塞や脳出血といった脳血管障害、心臓病などの心血管疾患で、全体の13%を占めている。
 データによると、ブラジル国民の内、18〜30%はうつ病の症状を呈しており、サンパウロ市周辺で実際にうつ病と診断されている人は大人の10%を超えるという。他にも糖尿病の患者の数が増えており、1998年には国民の3・3%だったものが、2008年には5・3%まで増加した。
 同調査では、出産などの実態についても触れており、早産は、1980年の4%から2000年には10%と増加傾向。帝王切開による出産は2001年の38%が2008年には49%と半分近くになった。同時に中絶の数も増え、2008年には21万5千人が中絶による合併症で病院に運ばれたが、内3230件のみが合法中絶だったという。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button