ニッケイ新聞 2011年5月13日付け
上院が11日、ブラジルとパラグアイの間にあるイタイプ発電所の電力に関し、パラグアイ側が使用しなかった電力に対し、ブラジル側が従来の3倍の値段を支払うというプロジェクトを5時間以上かけて議論の末、承認したと12日付フォーリャ紙などが報じた。
今回のプロジェクトはイタイプ発電所建設当時に両国で交わされた契約の一部変更で、パラグアイ側が使わなかった電力買取時に支払うメガワット当たりの価格は、現在の5・1ドルから15・3ドルに引き上げられることになる。
これにより、ブラジル側が支払うことになる金額は、今まで毎年支払っていた1億2千万ドルの3倍近くになり、総額約3億6千万ドルに跳ね上がる見込み。
政府指導者らは、パラグアイのフェルナンド・ルゴ大統領に良い手土産を持っていけるように圧力をかけられ、ジウマ・ロウセフ大統領のパラグアイ訪問前に承認されるよう、水面下の交渉も行っていた。
承認はジウマ大統領がパラグアイに出立する4日前に下された。
ミナジェライス州選出のイタマル・フランコ上院議員によると、「消費者や納税者は今回の増加による影響を確実に受ける」と述べている。
一方、プロジェクトの報告者であり、イタイプの元財務担当理事のグレイジ・ホフマン上院議員は、「国庫から支払われるため、電力料金への影響はない」と述べ、国民の懐に響くとの懸念を否定している。