ブラジル国内ニュース(アーカイブ)
サンパウロ市=定員不足の浮浪者収容所=33カ所で9千人分のみ
ニッケイ新聞 2011年5月17日付け
サンパウロ市では2010年10月21日の12度以来の最低気温となる12・5度を記録した16日、エスタード紙が、浮浪者(路上生活者)向けの収容所は定員不足の状態が続いていると報じた。
寒くなると収容所での宿泊希望者も増えるが、エスタード紙取材班が4月に訪問した収容所10カ所中9カ所は定員を超え、施設から離れた路上で回収車を待つようにとの指示が出たという。回収車に乗せてもらえればどこかの収容所に連れて行ってもらえるが、回収車はいつも来るとは限らず、寝床が確保でき、食べ物にありつけるか否かは運任せといえる。
サンパウロ市当局は、収容所を嫌う人も居り、定員は足りているというが、1万4千人といわれる路上生活者に対し、市内33カ所の収容所の定員総数は約9千人分。収容所に入りきれない上、セー広場などを追い出された路上生活者達が道路脇や橋の下に寝ているのを迷惑顔で見る人々もいるが、麻薬などに無関係であっても、職や住居、暖かい食事にありつける人は決して多くはないようだ。