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結婚式の夢が突如実現=新婦や参加者が密かに計画=新郎は主役と知らずに会場へ

ニッケイ新聞 2011年6月2日付け

 ブラジリアから40キロ程離れたプラナウチナ市で28日夜、牧師が婚姻成立を宣言する数分前に、新郎が式の主役は自分だったと知るというサプライズ結婚式が行われたと5月30日付コヘイオ・ブラジリエンセサイトが報じている。
 サプライズ結婚式の企画者は、登記所での民事婚だけでなく、教会での挙式も行いたいとの夢を一貫して持ち続けていた家政婦のマリレネ・バチスタさん(41)。2010年に思い立った結婚式の計画は、中央銀行に外部委託として勤めるカルロス・エンリッケ・デ・ジェズスさん(41)に通告することもなく進められた。
 マリレネさんとカルロスさんは付き合い始めてから25年で、2005年には民事婚を挙げ、20歳の長男と10歳の長女の4人暮らしだ。
 マリレネさんが結婚式の計画を立て始めたのは2010年10月で、挙式代として2500レアルを集めていた。所属教会の牧師や証人役の夫妻らも協力し、勤め先の主人、シウレネ・ヴァレンチンさんがウエディングドレスを手配した。結婚式の証人として出席を求める招待状が渡されていたカルロスさんも、自分のためとは知らず、マリレネさんにプレゼント代を渡していた。
 当日、マリレネさんが週末も仕事があるから式には遅れ、証人として一緒に式場に入れないと連絡していたため、カルロスさんは、事情を知る別の女性とペアを組んで式場に入った。午後8時、ジョアン・マシャード・ラモス牧師は聖書から説教を始め、神の下での結婚の重要さと、夢を叶えるために夢を追い続ける人について話した。
 カルロスさんは式場にいないマリレネさんが心配で、牧師の話をしっかり聞いていなかったが、ふと、新郎がいない事と説教の内容が自分の状況と似ている事に気づいた時、牧師が突然、「マリレネ・バチスタを妻としてめとるか」と尋ねた。
 真実を知って驚いたカルロスさんは、その場から動く事もできず、顔を手で覆い、涙を隠した。
 周囲の人に促され、感動に言葉もなく通路に向かった新郎の目の前で開いた扉の向こうには息子に寄り添われたマリレネさん。丁度8時20分、赤いカーペットの上で新婦と向き合った新郎は、感謝のこもったキスでマリレネさんを迎えた。
 研磨されて輝きを取り戻した古い結婚指輪は、改めて新郎、新婦の指にはめられ、婚姻成立が宣言された。
 マリレネさんは、「1日前に彼に伝えたかったけど、周りから反対された」と述べており、ハネムーンの計画はまったく立てていない2人は、牧場のホテルで3日間過ごすと話している。