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教育省配布教材に間違い=700万冊作った教科書で=大臣が調査のため審問開く

ニッケイ新聞 2011年6月8日付け

 教育省配布教材に間違い=700万冊作った教科書で=大臣が調査のため審問開くいる。
 問題となったのは、教育省が1360万レアルを使って製作した1組35冊で構成された副教材『エスコーラ・アチヴァ』で、2011年初めに間違いが発見されて以来、35冊中5冊でミスが指摘されている。
 算数の教科書の間違いは特にはっきりとしており、10—7=4や16—8=6、16—7=5などといった簡単な引き算を間違えたもの。
 合計で700万冊印刷され、昨年後期の内に20万組が農村部の小学1年生から4年生までの混合クラス向けに配布された。教育省によると、配布済みの国内3109市の公立校3万9732クラスには、1300万人の生徒が学んでいるという。
 フェルナンド・ハダジ教育大臣は予算管理局(CGU)に影響の大きさと責任者の調査のため審問を開くよう要請しており、「校正漏れだ。見直しがいい加減だった」と問題を認めている。
 同教材の編集と配布が行われた時期に読み書きと多様性の持続的教育局(Secad)局長を務め、現在は人権事務局長のアンドレ・ラザロ氏は3日、個人的な理由でと辞表を提出している。
 教育省では近日中にプログラム『エスコーラ・アチヴァ』のコーディネーターとの会議を行い、教科書を無駄にせずに問題を解決する方法を検討する予定だが、ブラジル農村部の生徒の学習成績は、全国平均と比べ、算数で18%、ポルトガル語で6%低いという。
 また、6日付同紙には『なぜブラジル人は数学に弱いのか?』という記事が掲載されており、低学年を教える教師に問題があると指摘。大学の教員養成講座の授業から改善していく必要があると報じている。
 5月にサンパウロ州学習到達度評価システム(Saresp)が発表したデータでは、高校を卒業する生徒の内57%は数学で満足のいく評価に達していないと明らかにしている。
 2009年度のOECDによる15歳の学生の学習到達度調査(PISA)によると、ブラジルの数学のランキングは65カ国中57位と下の方で、日本は9位、1位は上海となっている。