ニッケイ新聞 2011年6月15日付け
かつて新天地に向かう日本移民を乗せた移住船が出港した兵庫県神戸市に所在する「海外移住と文化の交流センター」で7月24日まで、「移住の成熟期を支えた人々—知られざるブラジル移住」歴史展が開催されている。パネル37枚と一次資料約60点を展示している。
第一期の「笠戸丸と四人の先駆者たち」に続くもので、主催は財団法人「日伯協会」と神戸市。協力・神戸大学、高知県立図書館、高知県立歴史民俗資料館、高知市立自由民権記念館、小泉製麻株式会社。
時期的には、神戸に国立移民収容所が開設された1929(昭和3)年から、第2次世界大戦が終わった1945(昭和20)年まで。
日伯協会に尽くした榎並充造(えなみ・みつぞう)、平生釟三郎(ひらお・はちさぶろう)。小説『蒼茫』(第1回芥川賞)の作者石川達三。さらには北パラナ開拓の功労者・氏原彦馬、チエテ移住地造成の立役者にして満州移民事業にも身を投じた梅谷光貞、ユバ農場を作った弓場勇、アマゾン開拓に情熱を傾けた前田光世、臼井牧之助、崎山比佐衛ら著名な拓人を展示の中で取り上げている。問い合わせは同センター(神戸=078・230・2891)まで。