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チェス国際女子名人を獲得!=日系4世 寺尾ジュリアーナさん=日系初、最年少の快挙=8月インドの世界大会へ

ニッケイ新聞 2011年6月16日付け

 サンパウロ州スザノ市在住の寺尾ジュリアーナさん(19、四世)が、ブラジル人女性の取得者はわずか4人のチェスの「国際女子名人」(international master、国際チェス連盟が定める称号)に認定された。日系初、かつ最年少での獲得という快挙だ。ジュリアーナさんは先月初旬、ボリビア・タリハ市で行なわれたチェス南米女子選手権(20歳以下の部)で見事優勝を果たしており、今年8月にインドである世界大会に、ブラジル代表としての出場が決まっている。ジュリアーナさんは、「さらに練習して望みたい」とニッケイ新聞の取材に張り切ってみせた。

 「涙が出るほど嬉しかった」。そう喜びを語るのは、大会に同行した父親ルイさん(50、2世)。チェス愛好家で、幼少の頃から手ほどきしてきた。
 ジュリアーナさんがチェスに触れたのは5歳のとき。きっかけは1歳年上の兄で既にジュニア大会(8歳以下の部)に数多く出場、入賞を果たしていたロドリーゴさんへの憧れからだった。
 ルイさんがルールや駒の動かし方を教えはじめて1年後には、試合に初出場。8歳から週1回のプライベートレッスンを始めた。現在もネット上でのレッスンを継続、腕を磨いてきた。
 今年5月、全年齢のブラジル女子のブラジルランキング1位となり、このたびブラジル代表として本大会に出場した。
 南米各国の代表約20人が白熱した駒運びを見せるなか、順々にせりあがり、ペルー代表のアリアガ・フェルナンデスさんとの首位争いで堂々優勝杯をもぎ取った。
 「すごく嬉しかった。加えて『国際女子名人』を取るという目標が達成できたので本当に良かった」と満足気に語る。
 しかし、まだまだ気は抜けない。8月にインドで開催される世界大会への出場が決まっているからだ。
 「南米大会で2週間授業を休んだので今は学校の勉強が優先。ただ、世界大会にはもっと練習して臨むつもり」と意気込みは充分だ。
 さらなる目標は、国際連盟が定める「女子グランドマスター」の取得。モジの私立大で経営学を学びながら、チェスの最高位に向け、ジュリアーナさんは精進の日々を送っている。