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家事労働者も同じ権利を=国際労働機関が基準作成
ニッケイ新聞 2011年6月18日付け
国際労働機関(ILO)が16日、家事労働者にも一般労働者と同じ権利を保障するよう定めた基準を承認したと同日付G1サイトが報じた。
使用者の家庭で利潤創出活動以外の活動に従事する労働者は、メイド、運転手、乳母、介護人、執事、乳母、住み込みの家庭教師や看護人、料理人、清掃員、庭師、警備員など多岐に渡るが、家族が行う作業を代行するに過ぎないとして低く見られがちな上、多くの場合、労働関連法の適用対象外とされている。
このような不平等是正のため、失業保険や有給休暇、勤務時間や残業その他、一般労働者と同じ権利を保障するための基準を策定中である事は14日付エスタード紙なども報じていたが、同基準が承認された事で、ILO加盟国は、同基準を各国で承認した上で遵守する義務が生じた。
ブラジルの家事労働者は09年現在約670万人で、平均勤務時間は週58時間。一般労働者の平均44時間より長い上、低給与、残業手当や失業保険もないなどの条件にあまんじる人が多い。
一般労働者並みの条件で雇うべきだと分かっていても、国会での基準承認後は支出が増える事を懸念する使用者も多く、法が遵守されているか否かの監査も困難だが、カルロス・ルピ労働相は、50年の議論の末策定された基準承認に積極的な態度を示している。