ニッケイ新聞 2011年6月21日付け
ブラジル日本移民の日を迎えた6月18日、『日本移民103周年記念開拓先亡者追悼法要並びに東日本大震災物故者追悼法要』が午後1時半から、ブラジル日本文化福祉協会・大講堂で執り行われた。
ブラジル日本文化福祉協会、ブラジル日本都道府県人会連合会、ブラジル仏教連合会、釈尊讃仰会、ブラジル仏教婦人連盟の共催。
今月8日に亡くなったコロニア音楽家、小野寺七郎氏の追悼も併せて営まれ、300人以上が出席した。
法要はエスペランサ婦人会コーラス部による「道のひかり」の合唱で開会。壇上に設置された「先亡者之霊位」を前に、斉藤正行釈尊讃仰会会長が開会の辞を述べた。
生田流筝曲美和会、宮城会、尺八都山流による献楽の中、裏千家の献茶と生け花協会の献花が行なわれた。
ろうそくと花を持った稚児達を先頭に仏連会長の菊地顕正導師、各宗派の僧侶が登壇。出席者全員で三帰依文を唱えた後、菊池導師が敬白文を読み上げた。
小野寺氏が作曲した「こころ静かに」のコーラスの中、各宗派代表の僧侶による焼香に続き、小野寺氏の妻則子さんが祈りを捧げた。
木多喜八郎文協会長は壇上で、「現在日系人がブラジル社会で得ている高い評価と尊敬は、先亡者の苦労によって営々と築かれたもの。先人達の足跡を辿りつつ、日系社会を更に発展させたい」と話した。
その後、大部一秋総領事、芳賀克彦JICA所長、菊地義治日伯援護協会会長、園田昭憲県連会長らも追悼の辞を述べ、先亡者の冥福を祈った。
ブラジル本門仏流宗コレイア教伯師による法話が終ると、出席者らは長い列を作り、一人一人焼香を上げた。
法要後には、日本の筝曲家、阿部知子、井上千恵子両師範により「春の海」など4曲が披露された。その後、出席者全員に供えの餅が配られ、会は幕を閉じた。
20年以上にわたり参加を続けているサンパウロ市在住の間部よしのさん(新潟)は義妹のとみさん(青森)と出席。「14年前、主人(間部学氏)が亡くなった時も参加しました。今日は、苦労した日本人移民と共に夫を偲ぶ大切な日なんです」と思いを語った。