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政府機関にサイバー攻撃=重要情報漏れの可能性も

ニッケイ新聞 2011年6月25日付け

 大統領府を含む政府関連ウェブサイトが22、23日と2日連続でハッカー集団『ラルズ・セキュリティ・ブラジル』の攻撃を受け、一時アクセス不能となった上、ジウマ大統領やカサビサンパウロ市長などの個人情報も漏れたと24日付フォーリャ紙などが報じている。
 連邦政府のサイトを管理していたSerpro社によると、攻撃されたのは大統領府サイト、ブラジルポータル、国税庁のサイトなどで、情報を盗むためではなく、サイトがアクセス不能になることを狙ってトラフィックを集中させている。今まで政府が体験してきたサイバー攻撃の中でも最大のものだという。
 この他にも、ペトロブラス社やスポーツ省、地理統計院など、複数の政府関連サイトが一時アクセス不能になったが、情報漏れなどは起きていないと話している。
 『ラルズ・セキュリティ・ブラジル』は、4月にゲーム企業SONYと任天堂の情報漏れ事件を起こしたハッカー集団『ラルズ・セキュリティ(ラルズセック)』のブラジル支部のようなもので、ラルズセックは、アメリカ放送局のFoxとPBS、米国政府機関のCIA(中央情報局)とFBI(連邦捜査局)、イギリスの国営医療サービス事業(NHS)なども攻撃している。彼らは主にツイッターを利用して取得した情報などを公開している。
 今回の攻撃は、インターネット動画共有サービス『ユーチューブ』に「ポヴォ・ブラジレイロ(ブラジル国民)」という名前のビデオで予告されていた。同ビデオでは「国民を驚かせたいわけではない」が「情報改ざんや政府の不透明さに対し、行動をとるべき時が来た」と述べている。
 攻撃後のツイッターでは、目標は10万人の抗議者を集めることで、国内のいたる場所でデモを起こしたいとツイートして(つぶやいて)いる。