ニッケイ新聞 2011年6月25日付け
民族音楽グループ「マワカ」と箏や尺八など邦楽演奏家によるコンサートが18、19両日、SESCピニェイロスで開催され、両日あわせ約1800人が日伯融合の音色を楽しんだ。
マワカは今年で結成15年。サンパウロを拠点に国内外で活動する13人のグループ。世界の民族音楽の普及に努めている。日本の楽曲のみでコンサートを行なうのは今回初。
同イベントは、日本移民の日を記念し、文化事業プロダクション「DO CULTURAL」が企画した。高橋ジョー代表は、「世界に通じる日本の曲を選んだ」と説明する。
「さくらさくら」「ソーラン節」「数え唄」「お正月」などが、タンバリンと太鼓の軽快なリズムやサックスによるジャズ風の間奏に合わせて演奏された。
着物に見立てた色とりどりの華やかな衣装に身を包んだメンバーが踊りながら熱唱、伝統的な曲調とは異なる新鮮なアレンジに、会場では度々大きな拍手と歓声が沸き起こった。
特別ゲストとしてマワカに日本音楽を伝える箏演奏家の北原民江さん、尺八演奏家のシェン・リベイロさんが登場、「春の海」を披露した。マワカの明るく軽やかな演奏とは対照的に、厳かな雰囲気を帯びた日本の伝統を会場に見せつけた。
島田デボラ・ダニエラ姉妹は和太鼓で演奏を盛り上げたほか、扇子を手に着物姿で舞い、会場を盛り上げた。
「とても感動的だった」と語るのは、フェルナンド・バヘットさん(53、サンパウロ市)。インターネットの動画サイトでマワカの演奏を聞いていたという。2日間とも来場した観客もいた。
在サンパウロ総領事館の大部一秋総領事も大変満足した様子を見せ、「よくぞ難しい歌を見事に表現した。日本の歌の心をよく理解している」と話していた。