ニッケイ新聞 2011年6月29日付け
ベネズエラのチャベス大統領が10日、訪問先のキューバで緊急手術を受けた後、帰国が遅れているため、国内外で様々な憶測が広がっている。
26、27日付伯字紙などによると、ブラジルとエクアドル訪問後にキューバに向かったチャベス大統領は、10日に鋭い痛みを訴え、ハバナの病院で緊急手術を受けた。
24、25日にはツイッターで数回メッセージを発信しているが、自身の病状については何も触れておらず、米国のスペイン語紙では、前立腺ガンの可能性なども取り沙汰され、「命の危機にはないが複雑な病状」とも報じられていた。
これに対し、ベネズエラの政府当局者は、大統領は関係者とこまめに連絡を取っており、国内の主要な政治案件は全て大統領自身が決断を下していると説明。10日の手術は骨盤膿瘍によるもので、術後の回復は順調だからまもなく帰国するとし、重病説を否定しているが、特定の後継者候補がいないワンマン大統領だけに、後継者問題も浮上と28日付伯字紙は報じている。野党側は、緊急手術で国内不在なら副大統領を大統領代行にたてるべきなのに、詳細な情報も公開せず、国外から統治を続けているのは違憲だと批判している。