祝103周年 移民の日特集
ニッケイ新聞 2011年6月30日付け
3月11日に発生した東日本大震災を受け、日系団体を中心に集められている義捐金の総額が6月末時点で、少なくとも約1160万レアル(約5億9千万円)に上っていることが、ニッケイ新聞の調べでわかった。多くの団体が4〜5月中に送金済み、あるいは今月末の送金を予定しており、1千万レアルが既に本国に届いているとみられる。今回の調査に漏れた団体や寄付していても公表していない団体を含めると、実際に集まっている金額は6億円超と推測される。これほどの義捐金がコロニアで集まったのは戦後直ぐのララ物資以来であり、〃第二の戦後〃といわれる本国の現状に敏感に対応したもののようだ。
多くの日系諸団体が送金を経由した在サンパウロ日本総領事館の特別口座には、6月21日時点で316万8千レが集まり、このうち305万5千レが同月16日に送金されている。
その他、在伯日本公館としてはべレン、レシフェで募金を受け付けており、べレンからは8万1千レが既に送金されている。大使館でも受け付けているが、「金額や団体名は公表しない方針」と調査への協力を断られたため、残念ながら、幾ら送金されたかはまったく不明となっている。
文協、県連、援協、商議所、日文連の5団体としての義捐金受け付けは5月末をもって終了。ただし、今後も文協と県連は口座を据え置き、県連は7月の日本祭りでキャンペーンを企画している。集まった金額は約326万レに達しており、このうち既に約315万5千レが送金されている。
また県人会でも主に被災した県の複数の県人会を中心に、独自に義捐金活動で行っている。青森県人会では、姉妹都市提携を結ぶサンタカタリーナ州の日系団体や地元ブラジル人からの支援が大きかったという。
県連と県人会関係の合計金額は160万レを超えており、日本との精神的な絆の強い団体特性が遺憾なく発揮されている。べレン総領事館に寄託したのも県人会が多かったといい、その活動の大きさが伺える。
特筆されるべきは、地方の日系諸団体も盛んに活動を行なっていることだ。特にパラナ州の金額が大きい。パラナ日伯文化連合会の嶋田巧会長によると、現時点では全パラナから70万レほどが集まっているという。
その次はマナウス、べレンなどアマゾン地域の金額が大きく、約33万レに上っている。日系人口の順番と見事に合致しており、結果的に日系社会全体をあげた取り組みになったことが数字から伺える。
また、企業以外の一組織として大きな金額を集めたのは生長の家(40万レ)であり、日本とのつながりの深さと共に組織力を見せつけた。
今回の特徴の一つは、連邦政府からの50万ドルを筆頭に非日系人からも多くの支援が寄せられていることであり、調査の過程で多くの団体代表から感謝の言葉が送られた。
既に募金を打ち切った団体も多い中、複数の団体では7月末、あるいは9月末まで募金を継続、または別の形で支援を行なう。
これから復興までの長い道のりを歩むことになる東日本の被災地の人々にとって、ブラジルで広がった〃本国〃を思う支援活動は、大きな励みとなったに違いない。
(うちシャぺコウ協会から1900レ) 8,000 南日伯援護協会 45,000 <その他諸団体> ブラジル日系キリスト教連盟 40,000 ブラジル日系老人クラブ連合会 20,000 響・宮下ショー実行委員会 122,030 サンタナ日本語学校、サンタナ文化スポーツ協会、
ブラジル健康表現体操協会(宮城県人会へ) 30,160 合計 10,795,830 (順不同、敬称略) ※青森県人会の金額は、日本円約433万5千円を6/27付けのレートでレアル換算
<文協、県連、援協に寄託した団体の一部> カンピーナス日伯文化協会 40,000 サントアンドレー日系連合会 16,600 文協美術委員会 44,000 汎ズットラ花卉協会 20,000 コチア青年連絡協議会 30,000 聖南西文化体育連盟 80,000 生長の家 400,000 ノロエステ連合日伯文化協会 30,600 汎スザノ文化体育農事協会 38,000 坂川オノフレ氏 60,000 民主平和統一諮問会議 20,237 タツイ文協 17,200 サントス厚生ホーム 2,500 愛媛県人会 5,900 栃木県人会 10,070 沖縄県人会 14,000 長崎県人会 4,000
<在聖総領事館に寄託した団体の一部> 宮城県人会 290,000 PLゴルフクラブ 7,000 ブラジルを知る会 10,000 アグアス・デ・サンタ・バルバラ市 4,000 神奈川文化援護協会 20,960 富山県人会 7,000 イタぺチニンガ文協 26,400 青木カナ 415 ブラジル稲門会 17,000 レストラン泰山 20,250 エスペランサ婦人会 5,000