祝103周年 移民の日特集
ニッケイ新聞 2011年6月30日付け
「日本移民103周年」を迎えるに当たり、ブラジルで生活されている約150万人の移住者及び日系人の皆様に心からお祝いを申し上げます。
ブラジルは、グローバル・プレーヤーとして、政治的にも経済的にも世界の注目を浴びており、日本ブラジル関係もますます重要性を増しています。
日本とブラジルは、伝統的に良好な二国間関係にとどまらず、国連改革といった重要な問題や、第三国での開発において協力するなど、近年、国際場裡の様々な問題において手を携える協力関係に発展してきました。
日本とブラジル両国間には、100年以上にわたって、二国間の架け橋として交流促進に貢献されてきた日本人ブラジル移住者の方々という頼もしい存在があります。
先般の東日本大震災に際して、ブラジル日系社会の皆様、ブラジル連邦政府をはじめとし様々な方面から義援金等、数多くの御支援を頂きましたことは、まさにこうした歴史的な友好関係を想起させるものであり、深く御礼申し上げます。
本年4月、東日本大震災のお見舞いのために訪日されたパトリオッタ外務大臣とお会いした際にも、移住者の方々の歴史に支えられた良好な二国間関係をより一層強固なものにしていくことで一致し、気候変動、環境問題といった国際場裡での協力についても有意義な意見交換を行いました。
さらに現在では、約30万人にのぼるブラジルの方々が我が国の経済に多大な貢献をされております。また、二国間の経済関係には、量的な拡大のみならず、質的にも大きな変化が見られます。
ブラジルは、世界有数の資源国ですが、最近では,深海底油田開発、バイオ燃料、熱帯農業等、技術分野でも国際的な存在感を高めており、このような分野において、高度な技術力を有する日本との協力は、ますます有益ではないかと考えております。
ブラジルでは今後,ワールドカップ及びリオ・オリンピックの開催が予定されており、これらのイベントを通じても、二国間の交流が更に深まると期待しております。
これからも、日系人の皆様とともに、両国の友好関係、様々な分野における協力関係をより一層強固なものにしていきたいと考えます。
最後に、日本人移住者と日系人の皆様の今後のますますのご活躍と、ブラジル日系社会の更なる御発展を祈念し、私の祝辞といたします。