ニッケイ新聞 2011年7月20日付け
ブラジル人モデルのシルヴィア・ノヴァイスさん(24)が、イタリア系子孫の中で最も美しい女性を決めるコンテストで世界ミス・イタリアに選ばれてから、インターネット上で結果に納得しないグループによる人種的差別を受けていると19日付G1サイトが報じている。
イタリア南部カラブリア州レッジョ・ディ・カラブリア市でのコンテストで39人の候補者に勝ち抜いてミスとなった7月3日、ミスとしてのシルヴィアさんの写真が国際的白人主義者のサイトStormfront・orgに掲載され、彼女がミスとして選ばれたことに反対するアドルフ・ヒトラー支持者らは、王冠と襷をかけた彼女の写真に、多くの人種差別的コメントを加えた。侮辱の一つには英語で「気持ち悪い黒人」とまで書き込まれていた。
同サイトの「ブラジル人がミス・イタリア2011で優勝」のトピックでは、「こんな気持ち悪い黒人がイタリア人のわけがない、多分彼女の祖父の祖父の・・・祖父がイタリア人だったかもしれない」などといったコメントも。
サンパウロ州市警殺人犯罪・人身保護担当課(DHPP)の人種差別と不寛容犯罪担当部(Decradi)は、Stormfront(嵐の前)を、国内で信奉者を募っている新ナチ主義者のコミュニティとみて調査を行っている。
同グループは1990年代初頭に「ホワイト・プライド・ワールド・ワイド」(白人の誇りで幅広く世界へ)とのスローガンの下に米国のインターネット上で結成されており、サンパウロ市内にも多くの協力者が存在している。警察によると、同グループは勢力の維持拡大のため、黒人やユダヤ人、同性愛者や不法移民、田舎者への攻撃を常に計画している。
一方、ブラジル人が世界ミス・イタリアに選ばれたという嬉しい知らせはジウマ大統領の許にも届いており、大統領のブログには報道の内容とシルヴィアさんの写真が掲載されている。