ニッケイ新聞 2011年7月20日付け
日本祭りの展示コーナーで写真を撮る人だかり。テーブルに並ぶ見事な鳥や花飾りのほとんどが果物で出来ている。にこやかに観客を眺める高田正一さん(49、三世、サンパウロ市)が作ったものだ。
タイの伝統芸能で「フルーツカービング」と呼ばれる。スイカ、メロン、カキなど硬く加工しやすい果物にナイフで彫刻を施し、花などに仕立て装飾として利用する。
表面の皮と実の色の違いを利用し、奥行きを表現。日本の和菓子を思わせる整った美しさだ。
雑誌でフルーツカービングの作品を見かけて興味を惹かれたのがきっかけ。DVDや本を買い集め独学で練習に励んだ。
「当時経営していたレストランに飾ったら、お客さんが大変喜んでくれたのが嬉しくて」と流暢な日本語で話す。
「専門にやりたい」とレストランを閉め、3年前、タイで本場の技術を学んだ。
「ブラジルで始めたのは自分が初めてじゃないかな」と誇らしそうに語る。現在、発注を受けて飾りを作ったり、ワークショップを開く日々だ。
随分時間がかかりそうだが、「すいか大1個なら30分くらいあれば、花に出来る。小さいのは15分」とこともなげ。
高田さんの経営する「Esmeralda」のHP(www.esmeraldadecoracoes.com.br)で様々な作品を見ることが出来る。
関心のある方は高田さん(11・5061・2082/9648・0306)まで。