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米国の信用格付け引下げか=債務不履行の可能性浮上=2日までに打開策とれるか=行方案ずる米国債購入者

ニッケイ新聞 2011年7月21日付け

 米国連邦債務が法律で決められた上限に達し、8月2日までに何らかの打開策がとれなければ債務不履行に陥るため、信用格付け引下げの可能性も出ている。格付け引下げは、米国の国債購入者にも大きな損失を与える事になり、米国債購入額世界5位のブラジルにとって、対岸の火事ともいえない状況となっている。

 米国の連邦債務は上限の14兆3千億ドルに達した、または極近い状態とされ、財務省が債務不履行とならないために示した期限は8月2日。これを受け、信用格付会社各社は、格付引下げ準備にかかっている。
 格付会社のムーディーズが米国の格付けを「AAA」から引下げるとの警告を発したのは13日。16日付エスタード紙は、S&Pも同じ日に格付け引下げを検討し始めたと報じている。
 国際的な信用度最高位の「AAA」を獲得しているのは米国や英国など世界7カ国。欧州はギリシャやイタリアなどの大型債務国を抱え、投資家の懸念を呼ぶ中、米国債購入は確実な投資方法と考えられていたが、米国が同国史上初の債務不履行(デフォルト)に陥る危険が表面化で注目されているのが、次期大統領選なども睨むオバマ大統領と国会との交渉の成り行きだ。
 オバマ大統領は、財務省が与えた最終期限の8月2日までに国会が債務上限の引上げを承認し、デフォルトを回避すると共に、10年間で約4兆ドルの連邦債務削減を目指している。
 19日に下院を通過した共和党提出の法案は社会福祉予算削減などを盛り込んだもので、民主党優勢の上院で阻止される可能性が強く、オバマ大統領も裁可しない意向だが、両党からの上議6人が同日まとめた、税収増と支出削減を盛り込んだ案は大統領も納得がいく内容で、大統領は同案の国会通過にかけるとの報道は20日付伯字紙。
 20日付各紙サイトには、オバマ大統領が上議6人のまとめた案に好意的な反応を示した事で、証券市場も好転との情報も流れているが、6月28日付の英紙「フィナンシャル・タイムズ」によれば、米国の格付けが「AAA」から引下げられた場合の投資家の損失は、総額1千億ドルに上る可能性がある。
 勿論、米国の格付けが落ちても、新しい格付けが実質の「AAA」となるから状況は変わらないとの見方もあるが、5月末現在で1兆1598億ドルの米国債を保有している中国の国家外貨管理局は20日、米国債保有は市場での投資行為とし、米国政府が責任ある政策を取り、投資家の利益を守る事を求めるコメントを発表した。
 ブラジルは外貨準備高の拡大に伴って米国債保有額が増えており、2004年末が125億ドル、2007年末は1299億ドル。5月末現在は2114億ドルで、中国、日本、英国、石油産出国グループに次ぐ5位。

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