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イタケロン=増設分は州政府が負担=収容観客数6万8千人へ=国民83%はW杯開催に不安

ニッケイ新聞 2011年7月22日付け

 2014年W杯(サッカー・ワールドカップ)でサンパウロ市の開催スタジアムとして使用されるイタケロン競技場(パウリスタ・コリンチアンス・スポーツクラブ・スタジアム)が、開会式誘致の条件を満たすための観客席増設経費は州政府が負担することになると21日付フォーリャ紙などが報じている。
 ジルベルト・カサビサンパウロ市長がスタジアムの建設に最大4億2千万レアルの税制上の優遇措置を与えることを裁可した20日、ジェラウド・アルキミンサンパウロ州知事は、報道関係者用施設や観客席を2万席増設するため、州政府が5千万レアルを投資すると発表した。
 現在、同スタジアムは4万8千人の収容観客数で建設が進められており、総工費は8億2千万レアルと推定されている。しかし、W杯の開会式誘致のためには少なくとも6万5千人の収容観客数が必要となる。
 建設を担当するオデブレヒト社によると、総工費には2万席分の増設費は含まれておらず、観客席の増設とW杯後の撤去費用は7千万レアルを下らないと見ている。
 一方、コリンチアスFCとオデブレヒト社間で交わされた契約では、イタケロン競技場が得る収入は全額工事費の支払いに使われ、クラブチームの口座には入らないと21日付フォーリャ紙が報じている。
 同クラブ関係者は、スタジアムの収入はBNDES(経済開発銀行)への借金返済の保証だと述べており、返済はBNDESと契約を交わしてから3年後に始まり、年間11%の利子で10年間に渡って支払われる。
 なお、18日付フォーリャ紙によれば、スポーツ+マーケット社が行ったアンケート調査では、ブラジル国民の4人に1人がW杯について「開催できる状態ではない」と考えており、「建設が遅れている」と考える人59・3%と合わせると、悲観的な考えを持つ国民は83・8%。工事が予定より早く進行していると評価する人は2・5%しかいないという。
 開催地となっている12都市の中で最も楽観的な考えを持っているのはベロ・オリゾンテ市民で、6・1%の人が工事は予定より早く進行中と見ている。サンパウロ市やポルト・アレグレ市で同様の回答を寄せたのは2・6%となっている。