シエロが金メダル獲得=ドーピング疑惑後の快挙=女子遠泳でも大会初の金
ニッケイ新聞 2011年7月26日付け
上海で開催されている第14回世界水泳選手権で25日、男子50メートルバタフライの決勝が行われ、ブラジルのセザル・シエロ・フィーリョ選手が金メダルを獲得したと同日付エスタード紙サイトなどが報じた。
男子50、100メートル自由形の世界記録保持者のシエロ選手は、男子50メートルバタフライの予選、準決勝を、タイムを短縮しつつ、トップで通過。優勝候補として進んだ決勝には、金メダル獲得には23秒以下のタイムを出す必要があると考えて臨んだ。決勝では23秒を切ることは出来なかったものの、スタートからライバルを抑え、23・10秒で金メダルを獲得した。
銀、銅メダルはオーストラリアのマシュー・ターゲット選手(23・28秒)とジェフ・ヒューギル選手(23・35秒)が獲得した。
シエロ選手は5月に受けたドーピング検査で禁止薬物のフロセミド(利尿薬)が検出され、世界選手権への出場が裁判で問われていたが、スポーツ仲裁裁判所(CAS)は21日、彼の出場を認める裁定を下していた。
感動の余り、プールと表彰台の両方で涙を流したシエロ選手は、「これまで獲得したメダルとは一味違う感動だ。今まで取ったメダルの中で1番苦労した」と述べている。
シエロ選手は、2008年8月に開かれた北京オリンピックの50メートル自由形で金メダルを獲得しており、ブラジル競泳史上初のオリンピックでの金メダル保持者となっている。
シエロ選手が25日に50メートルバラフライで取ったメダルは、ブラジル選手が取った今大会2個目の金メダル。最初の金メダルは、23日の女子オープンウォータースイミング(遠泳)でアナ・マルセラ・クーニャ選手が獲得した。
マルセラ選手は25キロを5時間29分22・9秒で泳ぎきり、女子としては国際水泳連盟が主催する大会では国内で初となる金メダルを獲得した。30度を超す暑さで脱落者も出る中を順調に泳ぎだしたマルセラ選手だが、20キロ地点からは疲労感が出始め、優勝インタビューでも、「いつまでたってもゴールにたどり着けないかと思った」と答えている。