ニッケイ新聞 2011年7月26日付け
民主社会党(PSD)の正式な成立に向けてカサビサンパウロ市長らが集めている支援者リストに、少なくとも6人の死者と逮捕中の有権者1人の署名が含まれていることが判明と23日付エスタード紙が報じている。
今回の不正は、サンパウロ市内三つの選挙権登記所で見つかったもの。署名収集に関してはその他の不正発覚で連邦検察庁(MPF)と連邦警察(PF)が捜査中で、今回問題となったリストも両機関に送付された。
同市東部ヴィラ・プルデンテの登記所に先週提出された975人の署名では、3人分が既に亡くなった人のものと判明。ヴィラ・マチルデの登記所でも、同様の例が2件確認された。また、南部のカペラ・ダ・ソコーロでは、既に亡くなった人の署名と逮捕中の有権者の署名が確認された。
カサビ市長らが目標としている、サンパウロ市長選を含む2012年統一選挙で独自候補擁立には、10月までに選挙高等裁判所(TSE)による新党の正式認可を得ることが必要で、そのためには、少なくとも9州で48万2千人の署名を集めなければいけない。
同党支援者の署名収集に関しては、6月以降、記載事項の漏れや不一致などの不備、不正な名前使用などの問題が表面化し、サンパウロ州やサンタカタリーナ州、アマゾナス州、パラナ州で捜査が行われている。
一方、24日付フォーリャ紙では、(PR)共和党を含む連立与党内で不協和音が響く中、PMDB(ブラジル民主運動党)の権力を分散するためにも、ジウマ・ロウセフ大統領や労働者党執行部が新党発足を後押ししていると報じている。
新党加入者には、サンパウロ市長選出馬予定のギリェルメ・A・ドミンゴスサンパウロ州副知事やエレウゼス・パイヴァド下院議員などの有力者も含まれている。