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期待はずれの可能性指摘=ブラジルへの国外からの評価

ニッケイ新聞 2011年7月27日付け

 国家ブランドという概念を世界に広めた英国のサイモン・アンホルト氏が、「ブラジルの国としてのブランドは非常に強くこれからも成長する」可能性があるが、期待させた後でがっかりさせる危険もあると警告したと26日付エスタード紙サイトが報じている。
 同氏によると、ブラジルは、ワールドカップ開催後に国家ブランド指数によるランキングの順位を落とした南アフリカと同じ事を繰り返すことになりかねないという。
 国家ブランド指数は、国の名声などを資産とみなし、国家の評価を計測するために用いられる指標で、50カ国を国民の教育や友好性、政府の効率性や国際問題への貢献度などで評価した結果は05年以降、サイモン氏とGfKローパー広報&メディア社が発表。現在のトップはアメリカで、ドイツ、フランスなど先進国が上位を占める中、20位に浮上し、開発途上国中唯一トップ20入りを果したブラジルは、BRICSの中で最も高い指数を保っている。
 彼によると、W杯開催前の南アフリカは貧困や不平等といった問題を隠し、生まれ変わった新しい社会というイメージを世界中に与えていたが、W杯後は、問題だらけの現実が知れ渡り、衝撃を受けた世界中の人たちが悪いイメージを持つようになったという。
 サイモン氏は「不平等で貧困層も多いのに、平等主義的で開発された国を装っている」ブラジルは、南アと同じ歴史を辿る可能性があると指摘。サンバやサッカー、トロピカルなライフスタイルやパーティーなどは飾り物で、経済や政治、産業で認められる要因にはならないと説明している。