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447便事故=操縦士のミスが原因?=時速200キロで海面に墜落
ニッケイ新聞 2011年8月2日付け
フランス航空事故調査機関(BEA)が7月29日、エールフランス機447便墜落事故原因の一つは操縦士の訓練不足との見解を盛り込んだ第3回中間報告書を発表したと7月30日付フォーリャ紙が報じている。
BEAは、447便のパイロットらは上空での危険状況に対処する訓練を受けておらず、不適切な操作を行った事が旅客機を墜落に導いた可能性があると見ている。
2009年5月31日にリオデジャネイロからパリに向かった同機は、大西洋で墜落し、乗員乗客合わせて228人の死者を出している。
今回発表された報告書は、問題発生時にコックピット内にいた二人の副操縦士の過ちがなければ事故を避けられたのではないかと記載。機長は問題発生時、コックピット外で休んでおり、操縦を行っていたのは三人の操縦士の中でも1番経験の浅い操縦士だった。
5月に発表された第2回中間報告書では、旅客機外部の速度センサーが氷結したことで情報が混乱していたと発表していたが、BEAのジェアン・パウル・トゥロアデック氏によると、速度計の誤表示があったとしても、速度を得る形で機首を下げていれば墜落はなかったという。
乱気流を抜け出して墜落するまでの間操縦していた副操縦士は反対の動作を行い、旅客機の機首を上げていた。これにより旅客機は失速し、3分30秒後に時速約200キロで海面に激突した。
今回の報告書では操縦士の過ちが事故の原因と指摘されたが、BEAは事故原因を確定するにはまだ早いと話している。
技術的な状況、システムや警報が乗務員の状況理解を妨げていなかったかどうかを解明した最終報告書は2012年前期に発表される予定。