ニッケイ新聞 2011年8月4日付け
サンパウロ市議会が2日、銀行内での携帯電話使用を禁ずる条例を承認し、市長裁可を待つのみと3日付エスタード紙が報じた。
銀行内での携帯電話使用禁止は、銀行で現金を引き出した顧客が行外に出たところで襲われるという事件頻発を受けて検討されていた。行内の犯行者が外部の仲間に現金引き出し客の情報を伝える手段となる機器の使用を禁じ、事件発生を防ぐ事が目的だ。
新条例はカサビ市長の裁可を得て発効となるが、同様の条例は州内のフランカ市、カンピーナス市が採用。パラナ、ミナス、バイア、リオ、セアラの各州都も既に採用している。
実際には、犯罪目的以外の携帯電話使用もあるため、全面的な使用禁止や機器預かりに反対する声もあるが、銀行利用者が危険にさらされるのは携帯電話利用者がいる昼間だけではない。現金自動預け払い機(ATM)コーナーは誰でも容易に出入り出来るため、早朝や夜間の利用時に行内で強盗に襲われるという例も後を絶たない。