ニッケイ新聞 2011年8月6日付け
サンパウロ市南部カンポ・グランデで3日、信号を無視し高速で交差点に侵入した車が他車と接触後に歩行者2人を撥ねたが、過失致死に問われた運転手は保釈金を積んで帰宅と5日付フォーリャ紙が報じた。
事故発生は3日午前11時40分頃。赤新号なのに高速で交差点に入ってきた車が、Uターン禁止のところでUターンをかけようとした車と接触後、横断中だったウエルトン・G・ドス・サントスさん(26)とジェソネイ・G・サントスさん(27)を撥ねた。
ウエルトンさんは即死し、ジェソネイさんも病院で死亡。事故車2台の運転手達は、過失致死に問われたが保釈金を払って釈放された。
信号無視に速度違反などを犯した運転手が人を殺してなお自由と聞いて収まらないのは息子とおいを亡くしたエウダウソン・S・ドス・サントスさんだが、殺人の意図はない過失致死事件と、酒気帯び運転で歩行者を撥ね、意図的殺人としての傷害致死に問われる事件の差も不明確だ。
道路交通法にも明記されていながら遵守が難しい歩行者保護。市条例に基づく歩行者保護キャンペーン実施中で、8日からは違反者に対する罰金徴収も始まる矢先の事故は、運転者啓蒙や法適用のあり方に疑問を投げかけるものとなっている。