ニッケイ新聞 2011年8月6日付け
審査員を務めたのは造形作家の豊田豊氏、丹下セツ子氏など芸術、芸能分野で活躍する日系、非日系の計18人。
グランプリは「グルッポ・サンセイ」が勝ち取り、6度目の栄冠に輝いた。審査員を代表して豊田氏からトロフィー、記念品、賞金8千レアルが手渡され、名前を呼ばれたメンバーは抱き合い、涙を浮かべて喜びを噛み締めていた。
今年の演技は、伝統色を排し、「シンプルさ」で勝負した同チーム。カラフルな単色のTシャツ、白いパンツで揃え、爽やかな印象。総勢40人の踊りは切れがあり、日本大会にも出場した貫禄を見せつけた。
振り付けを考えたリーダーの田中タチアーナ・マリさん(20、三世)は「結果に驚いた」と言いつつも、「とても嬉しい。喜びと幸せを踊りで表現しました」と、満面の笑みを浮かべた。
アダルトの部の1位は、マリンガーのサイキョウ・ヨサコイ・ソーラン。初出場ながら1位に輝いた去年に引き続き栄冠に輝いた。振り付けを担当した田村カミラさん(17、三世)は、「勝ちたかったのでとても幸せ。練習した甲斐があった」と喜びを見せ、「テーマは陽光。人生を明るく照らし、困難を乗り越えるエネルギーをイメージした」と話した。
アダルトの部2位は、パラナバイーのムゲン・キョウダイ、3位はクリチーバの若葉・ヨサコイ・ソーランがそれぞれ勝ち取った。
涙を浮かべて仲間と喜びながら、「おめでとう」と次々声をかけられていたのは、ジュベニールの部1位に輝いた「トモダチ・デ・ビリグイ」のリーダー、鈴木エンリケ一敏さん(17、三世)。舞台の中心で堂々とした踊りを見せた。
07年にユバ・バレエを観てから踊りの世界に魅了されたというエンリケさん。ここ数年、YOSAKOIに打ち込む日々を送る。今大会に向けては、指導者の小原明子さんに「秋の風を踊りたい」と伝え、時には指導役もこなしながらチームを率いてきた。
「勝つ自信はあったか」との問いには「まあまあでした」と控えめながらも、「結果に満足。チームは本当に進歩した」と力を込めた。
ジュベニールの部2位はビリチバミリン日本語学校、3位は平成なるこキッズがそれぞれ勝ち取った。