ニッケイ新聞 2011年8月9日付け
「一世、二世、三世、四世の次はノン・セイと言われるように、多くの人は自分の祖先がわからなくなる」と警鐘を鳴らすのは、第二アリアンサ鳥取村に生まれ、今も同地在住の佐藤勲さんだ。
村の歴史、特に在住者の家系図の作成に力を入れ、「第二アリアンサ物語」という小冊子を発行している。
「あまり興味がある人がいないから」とこぼしながらも、地道で骨の折れる作業に取り組み続ける姿には、感嘆の念を禁じえない。
取材後、コロニアでは「一世、二世、ノン・セイ」という言い回しの方が一般的だと聞いた。
鳥取村では四世まではアイデンティティが残っているのか。現実にはそうではなくても佐藤さんの願いが込められた表現なのか、分かりかねたがいずれにしても、開拓者の足跡を後世にまで残したい、という強い想いの表れだと感じた。(詩)