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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2011年8月13日付け

 「万策尽き続投断念」の大見出しが躍り、菅首相がやっと退陣するの記事が11日付けの弊紙にあった。それにしても、眞に粘り強い菅直人首相の粘り腰である。民主党の執行部や衆参議員らも、いらいらしながら見守っていたが、なんと言っても、国民の支持率が10%台半ばと歴代最低水準になったことが大きい。これではー四面楚歌であり、もう救いがない▼首相の「退陣3条件」は、民自公3幹事長の協議でなんとか纏まったけれども、この交渉で民主党は、こども手当てなどの「政権公約」の見直し(実質的な廃止)を決めた。しかし、これは小沢元代表や鳩山前首相らが掲げたものであり、言わば菅陣営の「小沢斬り」とも読めるし、党内に紛争のタネを残したと見ていい。これからの政界の動きは、26日の首相退陣、次期代表選出となるが、ポスト菅はかなり乱戦なのが気に掛かる▼今のところ、6人が出馬を準備しているようだ。これは大いに結構なことながら、派閥はないとされる民主党にも政策の違いや人を軸にした集まりはあるらしく、少なくとも6つを超えるグループがあるのが明らかになった。早々と出馬表明の野田財務相は、消費税などの増税論者だが、他の人々は「反対」し、これを巡る議論が選挙の焦点になるのではないか▼大震災の復興や国の借金が943兆円ともなれば、何らかの資金手当てが必要だしー「増税」が有力な手段であるのは間違いない。だがー目下の喫緊事は自民・公明両党との話し合いの場を強くし国会運営をスムースにすることであり、次の政権を担う首相には、これを第一として貰いたい。(遯)