ニッケイ新聞 2011年8月16日付け
2010年、ノーベル化学賞を受賞者した鈴木章・北海道大学名誉教授の講演会が9月4日午後5時から、ブラジル日本文化福祉協会小講堂(Rua Sao Joaquim, 381, Liberdade)で開かれる。
文協、国際協力機構、同研修員OB会、サンパウロ日伯部援護協会、ブラジル日本都道府県人会連合会、ブラジル北海道大学同窓会共催。
鈴木氏(80、北海道)は、60年に同大理化学研究科博士課程を修了。米国パデュー大学への留学を終えた65年から、自然界に存在する有機化合物を人工的に作り出すクロスカップリング反応の研究を開始した。 79年には宮浦憲夫北大特任教授と「鈴木・宮浦カップリング」を発表、その後30年以上にわたり改良を続けてきた。他のカップリングに比べて毒性がなく、室温で簡単に反応を起こせるため、各種医薬品、農薬、テレビ液晶の製造など各分野で利用されている。
今回初めての来伯となる鈴木氏は、9月1日からブラジリアで開かれる第14回ブラジル有機合成会議に出席後、4日に来聖する。
講演では『ノーベル化学賞への道』と題し、研究開始から受賞までの道のりと、鈴木氏の信念である「精進努力」について語り、次世代を担う人々へのメッセージを送る。日本語で進行、ポルトガル語の同時通訳が付き、講演後は質疑応答が行われる。
案内のため来社した北大同窓会の本橋幹久氏らは、「鈴木氏から、『若い人に夢を諦めず努力を続ける大切さを伝えたい』『早くに海外雄飛し、今の日系社会を築いてきた皆さんとの交流も楽しみにしている』とのメッセージをもらった。滅多にない機会なのでぜひ来場下さい」と呼びかけた。
入場無料だが予約が必要。予約、問合せは文協事務局(3208・1755/5777・4503)、Eメール(contato@bunkyo.org.br)まで。