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PRが連立離脱を宣言=大統領は飴と鞭の政策に=未払い経費等に17億レ

ニッケイ新聞 2011年8月18日付け

 PR(共和党)のアルフレド・ナシメント氏(AM)が16日、同党の連立離脱を宣言し、党が持っている全ての役職を明け渡すと発表したと17日付エスタード紙などが報じている。
 汚職疑惑によって運輸大臣職を辞任したナシメント氏は、「PRは今後独立して行動するが、国会での責任は全うする」と述べており、今回の発表には現運輸大臣のパウロ・セルジオ・パッソス氏は含まれていないと説明している。
 パッソス氏はPR所属だが同党が選んだ代表者ではないため、党員はジウマ・ロウセフ大統領によって任命された大臣としか見ていない。
 一方、議会内で高まる不満を少しでも抑え、議会審議を容易にするため、ジウマ大統領は16日、連立与党に対し、迅速に17億レアルを開放すると発表した。
 イデリ・サルヴァッチ政治調整担当長官は、16日の与党リーダーとの昼食会で、レスト・ア・パガーと呼ばれる決裁済みだが未払いの経費分として9月までに7億レアルを支払うことを明らかにした。
 また、同長官は、国会で新たに提出される事業向け予算70億レアルの内、10億レアルの早期支払いも約束している。
 資金支払い迅速化以外にジウマ大統領が採った方策は、ミシェル・テメル副大統領と共に持った与党リーダーとの会議。15日のPT(労働者党)とPMDB(ブラジル民主運動党)、16日のPSB(ブラジル社会党)とPDT(労働民主党)、PC・do・B(ブラジル共産党)との会議はその先鞭で、PMDBには、ヴァギネル・ロッシ農務大臣やペドロ・ノヴァイス観光大臣らの解任はないと約束した。与党リーダーとの会議は不定期だったが、今後は毎月開催の予定。
 ジウマ大統領が対応を軟化させたことで、連立与党内からはさっそく好感をもった発言が聞かれるようになった。例えば抗議指揮者の一人でPMDB下院リーダーのエンリッケ・エドゥアルド・アルヴェス氏は、「ジウマ大統領がこういった迅速な対応を取れるようなら、彼女は2014年大統領選挙で私が推す候補者だ」とコメントした。
 しかし、他の党のリーダーらは約束が実行されるまで分からないとし、「一般的な対策」だと述べている。