ニッケイ新聞 2011年8月19日付け
連邦警察が17日、国内外の化学工業300社が関与し、少なくとも10億レアルを脱税したとして23人を逮捕、バイア州サルバドール市に程近い2万平方メートルの島を含む資産を没収したと18日付エスタード紙などが報じている。
今回行われた連邦警察と国税局による〃錬金術作戦(オペラソン・アルキミア)〃は、国内17州と連邦直轄地区を対象に行われた大掛かりなもので、北東部最大の化学品販売代理店、サシル・グループのカヴァルカンチ兄弟に捜査の焦点を当てていた。
同グループの脱税計画は、法律上の二重課税の禁止をうまく利用したもので、最初、名前だけで実態のない、ラランジャと呼ばれる類の会社を通して製品を買い取って輸入、実際に販売する企業へと売り捌いていた。製品購入の際の税金や輸入税は最初の会社へ全て負担させていた。
脱税が発覚して罰金が科せられた時も、彼らは最初の会社の資産を他のグループの会社へ移し、単独で税金の債務を負わせて倒産させていた。
このような方法でサシル・グループが脱税した額は、連邦税だけで少なくとも10億レアルに上る。連邦警察によると、州税を含めば脱税総額はさらに増えるという。
今回の錬金術作戦には、連邦警察官650人が動員され、31人への逮捕状と129件の押収捜索令状のほか、62人と195社の資産差し押さえや、63人への証言のための出頭命令が出された。
同日付フォーリャ紙によると、没収された島はトードス・オス・サントス湾にある1500万レアル相当のもの。他にも2・5キロ金の延べ棒やジェットスキー8台、モーターボート1台、約100台の乗用車やコンピューターなどが押収されたという。