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県人移住100周年祝う=島根県人会創立55周年=県費留学制度40周年もあわせ=旅順丸移民の家族も出席

ニッケイ新聞 2011年8月23日付け

 ブラジル島根県人会(足立操会長、会員330家族)は、県人ブラジル移民100周年、県人会創立55周年、県費留学生制度40周年を記念し、21日に同会館で盛大に祈念式典を執り行った。母県から県庁知事部局の佐藤孝男顧問、県議会副議長の島田三郎氏ら5人の慶祝団、海外移住家族会から百合澤正志会長らが駆けつけた。

 会員をはじめ、在聖日本国総領事館の小林雅彦首席総領事、サンパウロ日伯援護協会の菊地義治会長ら来賓も訪れ、約230人が喜びの日に集った。
 村上アンドレ副会長の開会の辞に続き、先没者ならびに東日本大震災犠牲者への黙祷が捧げられた。日伯両国国歌、島根県歌を斉唱し、両国の絆を確かめ合った。
 足立会長は、「県人会には先達たちの涙と笑い、失敗と成功など、波乱万丈な人生模様が受け継がれている。これからも一致協力して大いに発展させたい」と決意を語った。
 県費留学制度を利用した35人の留学生の代表脇山エイコさんは、「一生に残る貴重な機会を与えてくださったことを感謝します」と謝辞。来賓らのあいさつもあった。
 1910年の旅順丸移民だった武田良助、サツ夫妻の家族も駆けつけた。
 曾孫の武田ジョン・カルロスさんは、「曽祖父たちから受け継いだ価値観や、人生の指針という遺産をこれからも大切にしたい」と挨拶した。
 功労者表彰では、県人会で重役を担った古田川英雄前会長や現職も加えた6人を始め、70歳以上の高齢者14人が表彰を受けた。
 功労者を代表し池田好夫理事が、「視野を広げ、協力し、社会に貢献しつつ、今後の余生も朗らかに送りたい」と意欲を語った。
 最後に県人会と島根県の間で記念品の贈呈が行なわれ、参加者らの大きな拍手に包まれ式典が終了した。
 式典後は同会場で祝賀会が開かれた。記念ケーキカットに続く佐藤顧問の乾杯の音頭を皮切りに、神楽やカラオケ、伊藤カレンさんによる余興がステージを飾る中、参加者たちは歓談しながら会食を楽しんだ。
 賑わう会場を嬉しそうに眺め、足立会長は「今年から会議は日ポ両語。現在役員の半数は一世だが、もっと三、四世を採用するつもり」と話し、会の存続と発展のため、時代に合わせ積極的に組織を改変していく意向を語った。