ニッケイ新聞 2011年8月25日付け
リオデジャネイロ州議会の議会調査委員会(CPI)は22日、同州山岳地帯で今年1月に起こった集中豪雨後の大災害の原因として、計画ミスや被害を避けるための予防措置が不足していたことを指摘する報告書を提出したと同日付エスタード紙が報じている。
6カ月に渡る現地での調査や会議の末、民主社会党(PSDB)のルイス・パウロ氏が委員長を務めるCPIがまとめた最終報告書は、ペトロポリスやテレゾポリス、ノヴァ・フリブルゴなどの各市を襲った洪水や地滑りなどの主要原因として、同地域の警告システムや危機管理計画の欠如を挙げている。
州会計検査院(TCE)に対しては、負債や対応改善契約書(TAC)の確認のため、これらの地域で悲劇後に署名されたすべての契約の監査を推薦している。
また、CPIは公共投資への監視が不足したことを明らかにしており、被災地を再建するためには40億レアルが必要だと話している。
一方、16日付同紙では、ノヴァ・フリブルゴの洪水対策の資金が流用されていたと報じている。国庫庁(CGU)が同市役所へ送った緊急時資金の使用に不正があったことを同局が明らかにしている。
CGUは、建築会社2社が行った工事の会計報告に不正を見つけた他、同市役所の銀行口座に29万1千レアルの不当な転送が行われたことを確認している。入札も行わずに契約が成立した例もあるなど、各種の不正が判明したことで、CGUは、連邦政府防災局に支援金の送付を一時停止するよう指示している。
一方、TCEは被害を受けた地域の各自治体に対して、支援金の使途を報告することを義務付けている。
また、12日付同紙では仮設住宅の建設は10月にしか始まらないと報じている。州政府は、1軒あたり平均5万レアルの住宅を7千軒建てるため、3億レアルを投じる予定で、建設完了は、2012年4月から12月の見込みとなっている。