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司令本部襲撃事件に疑問=軍警側証言に矛盾点続出
ニッケイ新聞 2011年8月25日付け
2010年8月にROTA(州軍警巡回機動隊)司令本部が銃撃を受けた件で、サンパウロ市警諜報機関が州政府に、軍警側の証言に疑問を投げかける内容の報告書を提出と24日付フォーリャ紙が報じている。
報告書には「司令本部が銃撃されたという話はおそらく、違法行為を行っていたROTAのメンバーの違法行為から注目をそらすためのもの」と書かれている。当時、軍警の特別部隊は殺人の容疑と貨物盗難グループとの関わりがあったとして調査を受けていた。
軍警側は、元囚人のフランク・リジエリ・ソンス容疑者(33)が仲間と共にROTAの司令本部を襲撃し、拳銃と火炎瓶を手に建物をめがけて発砲したと話しており、正当防衛で同容疑者を殺害、もう1人は逃亡したという。
一方、報告書では軍警の話と矛盾している点を四つ挙げている。
一、司令本部の窓ガラスが割れていたが、弾丸が見つからなかった。
二、マスコミに見せた火炎瓶が指紋採取などの調査をする前に消えた。
三、容疑者と反撃したという軍警の双方について実際に発砲したか否かの検査が行われなかった。
四、現場には2台の防犯ラメラがあるにも関わらず、犯行時の記録映像は無いと発表された。
また、同報告書は、ソンス容疑者と組織犯罪グループは関わりが無かったと明らかにしている。
「今回の事件を再調査するために、市警諜報機関の報告書のコピーを要請する」と軍警総司令官はフォーリャ紙に対して述べており、「軍警察官による違法行為は厳しく取り締まるつもりだ」と話している。