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サンパウロ市で増えるヘリの使用=市役所従業員などが便乗=市の経費負担は150万レ

ニッケイ新聞 2011年8月31日付け

 サンパウロ市役所から離着陸するヘリコプターの数がかつてないペースで増え、22日までに、前年比2倍近い月平均107回の離着陸が繰り返されたと28日付エスタード紙が報じている。
 ヘリコプターの使用は、1500平方キロメートルに及ぶサンパウロ市の監視が正式な目的となっている。しかし、実際にはタクシー感覚で使われており、時には、市職員の誕生日プレゼントとしての空の旅まで行われていたという。
 ヘリコプターによる監視は、建設やサービス、公園、危険区域、土地の違法侵入などを監督するために2010年2月から始まったが、エスタード紙が行った調査では、旅行の目的に無関係なのに市役所の技術者に同行していた人が少なくとも25人確認された。ヘリコプターによる監視サービスの経費は市の負担で、2011年は既に、150万レアルが支出されている。
 便乗者は、秘書や運転手、清掃職員、人事関係者、コンピュータ技術者、研修生など。ほぼ全ての飛行は商業時間帯内に起きているため、便乗者はその日の仕事を放棄した可能性も高い。
 今回の件に対してジルベルト・カサビサンパウロ市長は、1500回に達する飛行の内、わずか20回が不正当なものだったとしたうえ、「違法な飛行を行った責任者を処罰する」と述べている。
 一方、政治家が肩書きを理由に企業の航空機などに便乗することは禁止されており、使用した場合には一般人同様に支払わなければいけないが、26日同紙などでは違法な飛行を行った政治家の名前が発表された。
 パウロ・ベルナルド通信大臣とグレイシー・ホフマン官房長官は、上院議員選キャンペーンを支援した建設会社の航空機を使用。同建設会社は政府との事業契約を結んでいた。
 また、ジョゼ・サルネイ上院議長(PMDB=民主運動党)は、自身が所有する島へ向かうために軍警のヘリコプターを使用して問題となった。
 他にも、リオ州のセルジオ・カブラウ知事は今年1月、バイア州で行われたパーティーに向かうため、企業家エイケ・バチスタ氏のデルタ建設会社の航空機を使用。マルコ・マイア下院議長も労働者党(PT)の会合出席に、保健プランの会社の航空機使用などが明らかになっている。