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教授が学生を逮捕と脅迫=SNSで広がり社会問題に

ニッケイ新聞 2011年9月2日付け

 サンパウロ市マッケンジー大学法学部で教授と学生との間で起きた口論がインターネットのソーシャルネットワーク(SNS)で広がり、人種差別と権威の乱用についての議論を生んでいると31日付エスタード紙などが報じている。
 すべては、8月26日夜、法学部3年の女学生が検事でもあるパウロ・マルコ・フェレイラ・リマ教授を探し、授業方針への不満を訴えたことから始まった。
 話合いは口論となり、その日最後の講義を行う教授は教室の扉を閉めたが、納得のいかなかった女学生は、扉を開けて口論を継続。最後には警備員まで呼ばれた。
 女学生によると、教授は検事であることをいいことに逮捕すると脅迫。「教授は、『今私は、教授としてではなく検事として話をしている。今すぐ止めなければ、君に逮捕状を申請する』と発言した」という。
 パウロ教授は、逮捕すると言ったことを認めたものの、「こうでもしなければ彼女は止めなかった。実際には逮捕されてないのだから、権威の乱用ではない」と釈明している。
 今回の件に対し、学生会会長らは8月28日、教師の態度が正当なものではなかったとフェイスブック(SNS)で発表していた。
 しかし、これに対しパウロ教授の兄弟で、同じく検事で同大学教授でもあるマルコ・アントニオ・フェレイラ・リマ教授は、女学生が人種差別者だと発言した。
 同教授は自身のフェイスブックのページで、女学生がパウロ教授を「汚い黒人」「黒人は大学で講義を行ってはいけない」「黒人に権力があってはいけない」などと侮辱していたとコメント。一方、ProUni(私立大学生への国からの奨学金制度)奨学生の女学生は、「奨学金をなくすような行動をする訳がない」と抗弁した。
 今回の件については、サンパウロ州検察局が調査中。

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