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葬儀業者ストは5日まで=裁判所の復帰命令は無視=深夜まで遅れての埋葬も

ニッケイ新聞 2011年9月3日付け

 サンパウロ市役所が業務を委託している葬儀業者が8月30日から始めた今年2度目のストライキは、市民生活に多大な影響を及ぼしているが、同業者は1日、5日までストを続けることを発表したと2日付エスタード紙などが報じている。
 今回のストで従業員らは39・79%の初任給引き上げのほか、賞与額の拡大を要求している。現在の初任給は440・39レアルだ。
 業者らは6月21日にもストを行い、埋葬などに混乱や遅れが生じていたが、ストは1日で中断された。
 しかし、8月30日には再びストが行われ、90%の従業員が仕事を放棄。8月31日には裁判所が即時職場復帰を命じたものの、業者側は9月1日に5日までストを続けることを決めた。
 ストのため、遺体の運搬を都市圏市民警察(GCM)が代行した例や、清掃人が墓穴を掘って埋葬を代行する例が続出。普段の埋葬は午後5時までに行われるが、ストの影響で埋葬まで30時間以上かかり車のヘッドライトを使って夜の埋葬が行われた例や、死亡から54時間後にエンブ・ダス・アルテス市に埋葬されたサンパウロ市南部の住民の例まで報告されている。
 「彼らは人生の中で最も辛い瞬間をむかえている何千人もの人々に影響を与えている。悲しみの中にある人々の痛みが理解出来ないようなら公共サービスを行う資格はない」とジルベルト・カサビサンパウロ市長は述べている。また、スト参加者には何らかの処罰を与える意向を表明。処罰には、軽い注意から2カ月間の停職(無給)、解雇などが挙げられている。
 また、9月2日付エスタード紙サイトは、カサビ市長が365人の臨時従業員を採用すると発表したと報じている。
 同市長は既に、墓堀人100人と遺体搬送のための運転手35人の採用を許可しており、今後100人の墓堀人と130人の運転手を雇う予定だという。
 サンパウロ市公務員組合によると、2日正午現在、新たな案は出されていないという。
 葬儀サービスが必要な場合は、市役所が電話156で受け付けている。現在は、都市圏市民警察や他の同業者、墓地の清掃員らがサービスを代行している。