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【沖縄県人会 創立85周年記念祝典】「文化の継承は宿命」=大盛況だったアトラクション

ニッケイ新聞 2011年9月3日付け

 祝典の閉会後は様々な沖縄芸能のアトラクションが舞台を彩った。
 野村流音楽協会ブラジル支部による「かぎやで風節」など、歌、三線や琴の合同演奏で豪華に幕を開け、その後もブラジル琉球舞踊協会が「ふるさと沖縄音頭」「七月エイサー」、青壮年会が「フェスタ・ジュニーナ」などの踊りを披露、大きな拍手を浴びた。
 うりずん会による舞踊「四つ竹」、琉球國祭り太鼓、レキオス芸能同好会によるエイサー太鼓が披露された後、平田大一沖縄県文化観光スポーツ部長ら県関係者が衣裳を着て舞台に上がった。
 太鼓グループと共に力強い踊りをみせ、最後には興に乗った来場者が、舞台と観客席で一体となって踊り、「カチャーシー」でフィナーレが飾られた。
 終了後は夕食が振る舞われ、会場のそこここで、お国言葉で再会を祝して歓談する人々の姿がみられた。
 前方のテーブルに座っていた、ブラジル琉球舞踊協会理事として踊りを教える具志堅洋子さん(63、沖縄市)は、「今日のために、皆さん頑張って練習していましたが、特にいい出来でした」と笑顔を見せる。
 その隣で、県人会から功労団体の代表として表彰状を受け取った同会の地花千恵子会長(79、読谷村)は、「沖縄では小さな頃から踊りを習います。ブラジルでもやっていかなくては次世代に継承できない。宿命だと思って続けています」と凛々しい表情で語る。
 竹片を両手に2枚ずつ握り、手のひらを開閉して打ち鳴らしながら、それを拍子に踊る「四つ竹」を披露した、うりずん会の新城なおみさん(29、二世)。妹のえみさん(25、同)は琴で、共に出演した。
 黒い袴を着たメンバーによる琴と三線の演奏で3人の女性の踊り手が、沖縄独特の美しい紅型衣裳に身を包み、花笠をかぶって手に持つ四ツ竹を打ち鳴らしながら、優雅な動きを表現した。
 なおみさんは2009〜10年の間、県費留学生として沖縄県立芸術大学に留学し、舞踊を学んだ。「厳しくも優しい」先生にビラ・カロンで子供の頃から踊りを習っていたが、諸々の事情で何度か中断しながらも、現在まで継続している。
 「沖縄では人の温かさ、明るさに触れて、本当に帰りたくなかった。いつかまた戻りたい」と満面の笑顔。
 アトラクションの最後に登場し、横笛と歌を披露した平田大一部長(42、八重山)は昨年まで、琉球舞踊など子供たちの舞台を手がける演出家だったという。10月の「世界のウチナーンチュ大会」の宣伝担当として、舞台でも来場者に参加を呼びかけていた。
 初めての来伯で、「各地の県人会を回ったが、それぞれ国民性が現れていた。環境や文化、習慣が少しずつ異なるが、共通して、沖縄の人々がもつ生命力が備わっていると感じた」と、感激の面持ちで話していた。
 島袋祝典副委員長は全てのプログラムが終了した後、「準備の時間があまりなかったものの、会員力を合わせて何とかなりました。ペルーとボリビアの県人会会長も、来て良かったと言ってくれて」と安堵の表情を見せ、「うりずん会の皆さんの力が大きかった」と話し、若い世代の活躍に期待を込めた。