ニッケイ新聞 2011年9月10日付け
岩崎久弥によって東山農場が1927年に開始され、後に東山銀行などにも発展し、それがブラジル三菱銀行の前身となった。一方、政府系の横浜正銀が1919年にリオ支店を開設し、戦後に当地の東京銀行になった。その二つが合併してブラジル東京三菱UFJ銀行になったことは記憶に新しい。ちなみにブラジル東銀が買収したパウリスタノ銀行にはコロニアでは有名な蜂谷専一氏が64年に頭取へ就任した。ブラジル経済の第一人者として著名な鈴木孝憲氏も同社の頭取だった。思えば先日スキンカリオールの買収を発表したキリンビールも三菱系。明治の岩崎弥太郎の勢いが、今も当地では残っている?!
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平田進・美津子夫妻は恋愛結婚で、互いにカトリック信者だったそう。戦後の食糧難やキリスト教信者への風当たりの強さから、美津子さんはカトリック大国のブラジル行きを望み、政治にはタッチしなかったものの夫の活動を支え、子供をほぼ全員大学へ行かせるなど教育に熱心だった。理系分野での成功が多い二世世代で、エレーナさんをはじめ夫妻の子供全員が文化系の仕事に就いているケースは珍しいのでは。これも「国際派女性」美津子さんの影響が大きかったはず。
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野外活動を通した青少年教育を導入したのは、先日ブラジル創立40周年を祝った修養団。野外研修の朝礼で行なっていた「国民体操」が基になり、ラジオ体操に発展した。当地でも普及しているが、その繋がりを知らない人は多いのでは。