ニッケイ新聞 2011年9月14日付け
リオ州ニテロイ市で8月11日に女性判事のパトリシア・ロウリヴァル・アシオリさんが殺害された事件で11日、同市の地方裁判所は殺害に関与していた可能性がある軍警3人に対し、逮捕を命じたと13日付エスタード紙などが報じている。ダニエル・ドス・サントス・ベニテス中佐とセルジオ・コスタ・ジュニオル隊長、ジェーフェルソン・アラウージョ・ミランダ隊長の3人は、サンゴンサロ市の軍警第7大隊拘置所(BPM)の特殊部隊に所属していた。
パトリシアさんの殺害の件で起訴された3人の軍警は、他の殺人罪で既に刑務所に入れられている。ジエゴ・ダ・コンセイソン・ベリエネさん(18)の殺人罪によって、殺害される数時間前にパトリシアさんによって、3人には逮捕状が発行されていた。
ベニテス中佐とジュニオル隊長、ミランダ大佐の他に、軍警2人と消防士3人は、6月3日に起きたサンゴンサロ市でのジエゴさん殺害の件で起訴されていた。リオ州検察局によると、容疑者らは少年を殺害後、犯行現場を偽装、正当防衛による殺害との報告書を提出していたという。
殺人課のフェリッペ・エットレ署長によると、パトリシアさんが殺害された前日の8月10日に、同検察局によってジエゴさんの死に関与するすべての容疑者に対し新たな逮捕状を要求する訴状が送られていた。弁護士から逮捕される可能性があると聞いた軍警の3人は、パトリシアさん殺害計画の実行を決めたという。
「逮捕状がまだ発行されていないことを期待し、ベニテス中佐とジュニオル隊長は、裁判所から帰宅するパトリシアさんを追跡し、自宅前で21発の銃弾を浴びせ殺害した。彼らは、既に逮捕状が発行されていたことを知らず、その日しかないと考えていた」とエットレ署長は話している。
パトリシアさんによって逮捕状を発行されていた3人は、彼女の葬儀が行われた翌日の13日に逮捕されている。
また、「調査を妨害しないために」とエットレ署長は、ミランダ隊長について、犯行にどう関わっていたのかを明らかにしていない。
今回の判決は、被害者の家族を満たすものではなく、テシオ・リンス・エ・シルヴァ弁護士の評価によると、警察官による護衛が続けられていれば、パトリシアさんが殺害されることはなかったと話している。
これに対し、同州連邦司法裁判所(TJ)マノエル・アルベルト・レベロ・ドス・サントス判事は、護衛の有無はパトリシアさんの死に干渉していないと話している。彼女は、2007年7月からは警察の護衛が外されていた。