ニッケイ新聞 2011年9月15日付け
サンパウロ市のメトロにも2030年までに、東京都の山手線のような環状線を作る「メトロアネル」構想が持ち上がっていると14日付けエスタード紙などが報じている。
サンパウロ市メトロは現在62駅だが、2倍以上の161駅にするという。だいぶ前からサンパウロ市地下鉄網の規模は1千万都市のふさわしくない貧弱さしかないといわれ続けてきたが、ようやく本格的なインフラ整備が始まったようだ。
現在は総延長70キロしかないが、環状線が完成すれば184キロになり、ロンドン、東京やメキシコ・シティなどと同じ世界の巨大都市と同等の指数になると州政府では広報している。
20年までの計画「エスパンソン2020」によれば、アウキミン州知事の政権最後の年である14年までには274億レアルが5号線、15号線、17号線、4号線、18号線に投資されるという。それに加え、州政府は州議会に20号線、19号線の予算計画を提出済みだ。
環状線は16号線で、サンパウロ市のカショエリンジャを北端とし、西はインペラトリス・レオポルジーナまで、ヴィラ・マダレーナを通って、シャッカラ・クラビン付近を南端とし、ヴィラ・プルデンテからサンパウロ市東部を廻って、ツクルビーから元に戻る。
多くの新線が計画されており、すべての工事が完了すれば、76地点で交差(現在は10地点のみ)して、かなり混雑が緩和されるようになると期待されている。
州メトロ計画公社のアルベルト・エピファニ総裁によれば、2015年までに遂行する分の計画詳細はすでに煮詰まったという。今後は「エスパンソン2020」の新線の需要予測などを来年見直す予定だが、「おそらくあまり大きな変更はないだろう。今後の経済成長にも大きく左右される」としている。
州政府では13年までに5号線のアドルフォ・ピニェイロ駅で、2号線のヴィラ・プルデンチ駅からオラトリオ駅までを開通させる予定にしている。
さらに14年には15号線はサンマテウス駅まで届き、17号線(モノレール)はモルンビーからコンコーニャスを繋ぐことになっている。アウキミン政権ではサンジョアキン駅からサンパウロ市北部のブラジランジアまでを繋ぐ6号線も着手したいと考えている。