ニッケイ新聞 2011年9月24日付け
国内の牛肉輸出量が1月〜7月にかけて減った一方で、アメリカの牛肉輸出が増えており、ブラジルの牛肉輸出はアメリカに世界トップの座を奪われたと23日付フォーリャ紙が報じている。
2011年の最初の7カ月間で、ブラジルは牛肉の輸出によって30億1千万ドルの売上を記録していたが、対するアメリカは30億6千ドルを記録した。
2カ国の輸出量を比較した場合、アメリカの優位性はより顕著で、ブラジルの62万7600トンに対し、74万1300トンも輸出している。
主な原因となったのは、為替レートによって生産コストが高くなったことによりブラジル産の牛肉価格が上がったことで、国内の牛肉企業が輸出機会を失った。
一方、アメリカでは世界経済の影響を受け、牛肉の価格を上げずにいたので、国外市場にもよく売れた。また、同国では長い間乾季が続き、損を出さないために多くの牛が処理され、牛肉として輸出された。既に同国で処理された動物の19%を占めている。
ブラジル肉輸出工業会(Abiec)によると、アメリカはドル安と低価格によってこれまで輸出が利益にならないと考えられていたヨーロッパやエジプトまで市場にすることが可能になっていた。ここ最近のドル高傾向によって、この動向に変化が生じる可能性があるとの指摘も出ている。