ニッケイ新聞 2011年9月28日付け
真相はどこに——。サンカエターノ市立小中学校で、10歳の生徒が女教師を後から38口径銃で撃って、その後、自らの頭を打ち抜いて自殺した事件で、生徒の同級生が「あれは先生を驚かすためのイタズラのはずだったんだ」と証言していることが明らかになったと27日付伯字紙各紙が報じている。
26日に所轄警察署は、同校校長や指導教師らから事情聴取した中で、そのような証言が出てきた。事件が起きたクラスの同級生Dは、事件後に一旦帰宅したが、「どうしても先生に話さなきゃいけない事がある」と両親に頼んで学校に戻り、精神科医に「彼はただ先生を驚かせるためにやったんだ。あれはイタズラのつもりだったんだ」と事件を起こした少年を代弁し、その報告を受けた教師が警察に供述した。
この事件を担当するルシー・マステリニ・フェルナンデス捜査官は「まずは誰がそれを証言したのかを確かめる。まだ曖昧な点が多い」と慎重な姿勢を貫き、「勤勉な少年像にふさわしい、実にもっともらしい仮説だ。発砲は偶発的だったのかもしれない」とする。
29日には被害者の女教師に、入院先のクリニカス病院で証言を求める予定。26日にその女教師は、治療の関係から極秘にされていた少年の死を家族から聞いた。
少年の父親は30日に証言をする。市警備隊(GM)に勤務する父親は、毎晩仕事の後に拳銃から実弾を抜く習慣があったが、その日に限って抜いていなかったとの報道も一部でなされている。